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ADetailer完全ガイド:顔崩れを自動修正してクオリティを一段上げる方法

AI画像でよくある「顔が崩れる」「目がおかしい」を自動で直すADetailerの設定・使い方を解説。インストールから最適パラメータ、NSFW画像での活用まで初心者でもわかるガイド。

AI画像生成でどうしても避けられないのが「顔の崩れ」問題です。体は綺麗に描けているのに、目の形がおかしい、口元が歪んでいる、小さい顔が潰れているという現象は、Stable Diffusionを使うすべての人が経験します。

これを自動で検出・修正してくれるのが ADetailer(After Detailer) です。一度設定してしまえば、生成と同時に顔の修正まで自動でやってくれます。手動でインペイントする手間が大幅に減り、クオリティが安定します。

ADetailerとは:Inpaintingを自動化するツール

ADetailerを一言で説明すると「検出した部位を自動でインペイントし直すツール」です。

通常、AI画像で顔が崩れた場合の修正手順はこうなります。

  1. 生成した画像をWebUIのimg2imgに読み込む
  2. 顔の周りをマスクで塗る(Inpaint masked)
  3. 修正用のプロンプトを入力して再生成
  4. うまくいくまで繰り返す

ADetailerはこの一連の作業を生成と同時に自動で行います。具体的には次のような流れです。

  1. 通常通り画像を生成する(t2iまたはi2i)
  2. ADetailerが生成画像の中から顔(または手・体)を自動検出する
  3. 検出した部位だけをマスクして自動インペイントで描き直す
  4. 修正済み画像が出力される

ユーザーは通常の生成と同じように操作するだけで、裏側でADetailerが動いてくれます。

インストール方法(AUTOMATIC1111拡張)

ADetailerはAUTOMATIC1111 WebUIの拡張機能として提供されています。

インストール手順:

  1. WebUIを起動し、「Extensions」タブを開く
  2. 「Install from URL」タブを選択
  3. 以下のURLを入力して「Install」ボタンを押す
https://github.com/Bing-su/adetailer
  1. インストール完了後、「Installed」タブで「Apply and restart UI」をクリック

再起動後、txt2imgおよびimg2imgのページに「ADetailer」という折りたたみセクションが追加されていれば成功です。

注意: AUTOMATIC1111のバージョンが古い場合(1.6以前)はインストールに失敗することがあります。最新版へのアップデートを先に行ってください。

基本設定の理解:3つの重要なパラメータ

ADetailerを有効にすると、設定項目がいくつか表示されます。初心者が最初に理解すべきは以下の3つです。

1. ADetailer model(検出モデル)

何を検出・修正するかを選択します。

モデル名検出対象推奨場面
face_yolov8n.pt正面顔顔修正の基本(速い)
face_yolov8s.pt正面顔より高精度な顔検出
mediapipe_face_full顔全体横顔や俯き顔にも有効
hand_yolov8n.pt手・指手の崩れを修正
person_yolov8n-seg.pt人物全体ボディ修正用

顔の修正には face_yolov8s.pt がバランスの良い選択です。

2. ADetailer prompt / negative prompt

修正(インペイント)時に使うプロンプトです。

重要なポイントとして、メインのプロンプトとは別に設定できます。顔修正用のプロンプトに特化した記述を入れることで、修正精度が上がります。

顔修正用プロンプト例:

(detailed face:1.2), (beautiful eyes:1.3), (clear pupils:1.1),
high quality, sharp focus

顔修正用ネガティブプロンプト例:

(bad eyes:1.4), (cross-eyed:1.3), (ugly face:1.3),
blurry, low quality, deformed

3. Denoising Strength(ノイズ除去強度)

これがADetailerで最も重要なパラメータです。

推奨値: 0.3〜0.5
効果注意点
0.1〜0.2修正が弱い(元の雰囲気を保つ)軽い崩れにしか効果がない
0.3〜0.5バランスの良い修正ほとんどの用途に最適
0.6〜0.8大きく変化する別人になりやすいが崩れが激しい時に有効
0.9〜1.0ほぼ新規生成体との整合性が取れなくなる

顔修正に最適なADetailerモデルの選び方

シーン別にどのモデルを使うべきか整理します。

通常の正面顔・人物画像:

ADetailer model: face_yolov8s.pt
Denoising Strength: 0.4

俯き・横向き・後頭部が多い構図:

ADetailer model: mediapipe_face_full
Denoising Strength: 0.35

画像に複数人が写っている:

ADetailer model: face_yolov8s.pt
Max detection count: 2〜4 (検出する最大顔数を指定)
Denoising Strength: 0.4

小さい顔(全身ショットなど):

ADetailer model: face_yolov8s.pt
Mask padding: 30〜50 (検出マスクを少し広げる)
Denoising Strength: 0.45

NSFW画像での顔崩れ修正の注意点

NSFW画像ではとくに次の問題が発生しやすいです。

  • キャラクターの体と顔の整合性(体に対して顔が小さい・大きい)
  • 表情の崩れ(目の向きがバラバラ、口元のゆがみ)
  • 顔のディテール不足(ぼやけた輪郭や目)

NSFWシーンでのADetailer使用時の推奨設定をコードブロックで示します。

# NSFW画像での推奨ADetailer設定

ADetailer model: face_yolov8s.pt
ADetailer prompt:
  (perfect face:1.2), (beautiful detailed eyes:1.3), (correct anatomy face:1.1)

ADetailer negative prompt:
  (ugly:1.4), (deformed:1.4), (bad anatomy:1.3), (wrong eyes:1.4), blurry

Denoising Strength: 0.40
Mask padding: 32
CFG scale: 7
Steps: 20

NSFW画像でとくに注意したいのは Denoising Strength の設定です。0.5を超えると修正後の顔が元のキャラクターと別人になりやすいため、0.4前後を基準にして調整してください。

目・口・鼻それぞれの崩れへの対処

顔のどのパーツが崩れているかによって、対処法が変わります。

目の崩れ(白目が多い・左右の目の大きさが違う)

# 目崩れ修正に特化したプロンプト追加
ADetailer prompt に追加:
  (symmetric eyes:1.3), (detailed iris:1.2), (correct eye position:1.2)

ADetailer negative prompt に追加:
  (wide eyes:1.3), (asymmetric eyes:1.4), (strabismus:1.3)

口の崩れ(口が曲がっている・歯がおかしい)

# 口崩れ修正
ADetailer prompt に追加:
  (correct lips:1.2), (natural smile:1.1)

ADetailer negative prompt に追加:
  (crooked mouth:1.3), (bad teeth:1.3), (deformed lips:1.3)

鼻の崩れ(鼻の形が不自然)

鼻は他のパーツより修正しにくく、Denoising Strengthを上げすぎると別の崩れを招きます。0.3〜0.4の範囲で、メインのネガティブプロンプトに (bad nose:1.3) を追加するだけで改善する場合が多いです。

Before/After が変わる設定値の例

実際に差が出やすい設定の組み合わせを示します。

# 設定A:ADetailerなし(デフォルト)
ADetailer: オフ
結果: 顔の崩れが残りやすい

# 設定B:ADetailer最小構成
ADetailer: オン
ADetailer model: face_yolov8n.pt
Denoising Strength: 0.4
ADetailer prompt: (なし=メインプロンプトを流用)
結果: 軽微な顔崩れが改善される

# 設定C:ADetailer推奨構成(顔専用プロンプトあり)
ADetailer: オン
ADetailer model: face_yolov8s.pt
Denoising Strength: 0.4
Mask padding: 32
ADetailer prompt: (beautiful face:1.2), (detailed eyes:1.3), sharp focus
ADetailer negative: (ugly face:1.4), (bad eyes:1.4), blurry
結果: 目・輪郭が整い、クオリティが明確に上がる

設定Bと設定Cの違いは「顔専用プロンプトを用意するかどうか」です。この差が最も結果に影響します。

BodyDetailerとの組み合わせ

手や体のディテールも自動修正したい場合は、ADetailerの第2スロットを使って手の修正も同時に行えます。

# 第1スロット(顔修正)
ADetailer model: face_yolov8s.pt
Denoising Strength: 0.4

# 第2スロット(手修正)
ADetailer model: hand_yolov8n.pt
ADetailer prompt: (detailed fingers:1.2), (correct hand anatomy:1.2), (5 fingers:1.3)
ADetailer negative: (extra fingers:1.5), (missing fingers:1.4), (fused fingers:1.4)
Denoising Strength: 0.35

手の修正は顔の修正より難しく、高い Denoising Strength を使うと手の形が大きく変わってしまうことがあります。0.3〜0.4の範囲で試すことをおすすめします。

重くなりすぎないための設定最適化

ADetailerを有効にすると生成時間が増加します。設定によっては通常の2〜3倍の時間がかかります。

処理時間を短縮するためのポイント:

# 高速化設定

1. ADetailer stepsをメインのstepsより少なくする
   (例:メイン28steps → ADetailer 16steps)

2. ADetailer model は *n(nano)版を使う
   face_yolov8n.pt(軽い)vs face_yolov8s.pt(高精度)

3. 検出するスロット数を最小限にする
   (顔だけでよい場合は第2スロットを無効化)

4. Mask padding を大きくしすぎない
   32で十分なことが多い(64以上は処理が重くなる)

VRAM 8GB環境では特に設定Cの高精度構成で生成が重くなりやすいです。face_yolov8n.pt とステップ数削減を優先することで、実用的な速度を維持できます。

まとめ:ADetailerは「入れるだけで変わる」拡張機能

ADetailerは設定の難しさが低く、導入効果が高い、数少ない「絶対入れる価値のある拡張機能」の一つです。最低限の設定(EnableをオンにしてDenoising Strength 0.4だけ設定)でも明確な改善が見られます。

まずはデフォルト設定で試してみて、「もっと目を整えたい」「手も修正したい」という要望が出てきたらプロンプトや第2スロットで調整していきましょう。

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