Pony や Illustrious、NoobAI を扱う記事は、だいたい同じことを書いています。
Danbooruタグ形式で書いてください
ただ、それが何を指すのかを説明しているものは多くありません。タグを並べればいいのは分かるが、なぜそれで通るのか、なぜ効かないタグがあるのかは分からないままになりがちです。
この記事は、個別のタグ集ではなく、タグ体系そのものの読み方を扱います。実際に使うタグは、このサイトの用途別辞典を見てください。
なぜタグで書くと通るのか
理由は単純で、そう学習されたからです。
アニメ系のモデルは、タグが付いた画像の集合で学習されています。画像に対する説明文が、文章ではなくタグの羅列だったということです。
その結果、モデルはタグの並びを入力として最も安定して反応します。自然文で書くと、学習時に見たことのない形式になるため、意図が薄まります。
逆も成り立つ
自然文の説明で学習したモデルに、タグを並べても本来の力は出ません。
- タグで学習した系統(Pony / Illustrious / NoobAI など)→ タグを並べる
- 自然文で学習した系統(FLUX 系など)→ 文で書く
「プロンプトの書き方」に唯一の正解がないのは、この違いのためです。モデルの出自に合わせて書式を変えるのが基本になります。
系統ごとの違いは SDXL vs FLUX.1 比較2026 と Illustrious / NoobAI 完全解説2026 にまとめています。
タグの書式
アンダースコアとスペース
元のタグ名は、単語をアンダースコアでつないだ形です。一方、プロンプトではスペースに置き換えて書くのが一般的です。
多くの実装では、この2つは内部で同じものとして扱われます。そのためどちらで書いても通ることが多いのですが、挙動が不安定なときは片方に統一してください。
混在させたまま比較すると、原因の切り分けができなくなります。効きを検証するときは、変える要素を1つに絞るのが鉄則です。
区切りと順序
タグはカンマで区切ります。順序には意味があり、前に置いたタグほど強く効く傾向があります。
そのため、
- 人数や基本構図など土台になるタグは前
- 細部の装飾は後ろ
という並べ方が扱いやすくなります。
強調の記法(丸括弧や重みの指定)は、UI側の機能であってタグ体系の一部ではありません。この点を混同すると、「タグが悪いのか書き方が悪いのか」が分からなくなります。
タグには5つの種別がある
ここが、既存の解説でほとんど触れられていない部分です。
タグは種別に分かれており、それぞれ性質と注意点が違います。
| 種別 | 内容 | プロンプトでの扱い |
|---|---|---|
| 一般 | 描写そのもの(人数・髪・服・ポーズ・場所など) | 主力。基本はこれを組む |
| 作者 | 絵を描いた人の名前 | 画風に強く効く。扱いに配慮が要る |
| 作品 | 元になった作品のタイトル | 世界観や画風がまとめて動く |
| キャラ | 登場人物の名前 | 外見の特徴がまとめて動く |
| メタ | 画像自体の性質(解像度や形式など) | 品質方向の調整に使われる |
一般タグ
主力です。 このサイトのプロンプト辞典が扱っているのは、ほぼこの種別です。
作者タグ
画風の再現に非常に強く効きます。 ただし、これは実在する絵師の名前です。
技術的に効くことと、使ってよいことは別の問題です。特定の絵師の画風を模した成人向け作品を公開したり販売したりする場面では、相手の意向や配布先の規約と衝突する可能性があります。
検証で使うことと、公開物に使うことは分けて考えてください。 判断材料は AI画像生成の著作権・法律ガイド2026 にまとめています。
キャラタグと作品タグ
これらは外見の特徴をまとめて動かします。髪色・髪型・目の色・服装などが一括で寄っていきます。
便利ですが、既存作品のキャラクターです。二次創作としての扱いになるため、販売を視野に入れるなら権利元の方針を確認してください。
メタタグ
画像そのものの性質を表します。品質方向の調整に使われることがありますが、効果はモデルによってばらつきます。
「とりあえず品質タグを盛る」は、効いているのか確認しないまま増える典型です。1つずつ外して比較してください。
エイリアスと含意
ここを知らないと、「効くはずのタグが効かない」の原因を特定できません。
エイリアス(別名の統合)
同じ意味を持つ複数の書き方が、1つの正式な名前にまとめられています。
つまり、あなたが書いたタグが「実在はするが、実際の学習データでは別の名前で記録されている」ことがあります。この場合、統合先の名前で書いたほうが素直に効きます。
含意(上位タグの自動付与)
ある具体的なタグが付くと、より広い意味のタグも自動的に付きます。
これが意味するのは、細かいタグを1つ書くと、学習データ上は複数のタグが付いていたということです。だから細かいタグ1つが、想定より広い範囲に影響することがあります。
実務上どうするか
タグが思ったように効かないとき、この順で疑ってください。
- そのタグは実在するか(造語や自己流の直訳ではないか)
- 統合先の別名があるか(正式名で書き直す)
- 上位タグを巻き込んでいないか(広く効きすぎている)
- モデルの系統が合っているか(語彙が違う)
存在しないタグは効かない
当たり前に見えて、最も多い失敗です。
日本語の呼び方を自分で英訳したタグは、実在しないことがよくあります。存在しないタグは、モデルの語彙にないので基本的に無視されます。
無視されるだけならまだしも、単語として部分的に解釈されて意図しない方向に画像が動くことがあります。「なぜか変な要素が入る」の原因がこれであることは珍しくありません。
対処
- 辞典に載っている実在のタグを使う
- 思いついた表現をそのまま英訳しない
- 効かないタグは足すのではなく外して確認する
「効かないから強調を強める」は逆効果です。存在しないタグをいくら強調しても、存在しないままです。
モデル別の流儀
同じタグ体系を土台にしていても、系統ごとに書き方の作法が違います。
| 系統 | 作法 |
|---|---|
| Pony 系 | スコアタグを先頭に置く流儀がある |
| Illustrious / NoobAI 系 | タグをそのまま並べるほうが素直 |
| SDXL 汎用系 | タグも文もある程度通るが、どちらも尖らない |
モデルを乗り換えたら、プロンプトも組み直してください。 前のモデルのプロンプトをそのまま持ち込んで「品質が落ちた」と判断するのは、比較として成立していません。
詳細は Pony Diffusion 完全解説2026 と Illustrious / NoobAI 完全解説2026 にあります。
よくある失敗
タグを盛りすぎる
タグが増えるほど、1つあたりの影響は薄まります。30個書いて全部効くことはありません。
効いているタグを知りたければ、盛るのではなく減らしてください。
矛盾するタグを同時に書く
反対の意味のタグを両方書くと、モデルは中間の曖昧な絵を出します。「両方欲しい」は「どちらも来ない」になります。
ネガティブに同じ語を入れる
肯定側とネガティブ側に同じ語が入っていると、打ち消し合います。長いテンプレートを使い回していると起きがちです。
効かない原因をモデルのせいにする
書式・タグの実在・系統の3つを確認する前に、モデルを変えても解決しません。切り分けの手順は AI画像生成トラブル辞典2026 にまとめています。
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- AI画像生成の著作権・法律ガイド2026
まとめ
押さえるべきは4点です。
1つ目、タグで書くのは、そう学習されたから。 モデルの出自に合わせて書式を変える。自然文で学習した系統にタグを並べても力は出ません。
2つ目、タグには種別がある。 主力は一般タグ。作者タグとキャラタグは強く効きますが、実在の絵師名と既存作品なので、公開・販売では扱いを分けて考えてください。
3つ目、エイリアスと含意がある。 「実在するのに効かない」タグは、統合先の名前で書き直すと通ることがあります。細かいタグが想定より広く効くのは含意のためです。
4つ目、存在しないタグは効かない。 自己流の英訳は実在しないことが多く、無視されるか意図しない方向に働きます。効かないタグは強調するのではなく外してください。
具体的なタグは、用途別の辞典を使ってください。この記事はその土台にあたります。





