AI画像生成を始めると、すぐに「もっとクオリティの高いモデルを使いたい」「好みのスタイルに特化したLoRAが欲しい」という気持ちになります。そのときに必ず行き着くのが Civitai です。
Civitaiは世界最大のAI画像生成モデル配布プラットフォームで、数万件以上のモデルやLoRAが無料で公開されています。
ただし最初につまずくのは表示設定です。NSFWのモデルは既定では出てこず、しかも表示レベルは5段階に分かれていて、個別に有効化しないと目的のものが現れません。この記事ではその設定から始めて、モデルの選び方、ダウンロード、配置までを順に解説します。
Civitaiとは何か:AI画像生成モデルの最大プラットフォーム
Civitaiは2022年にサービスを開始し、現在もAI画像生成コミュニティで圧倒的なシェアを誇るモデル配布サイトです。
ここで配布されているファイルは主に次のようなものです。
- Checkpoint(チェックポイント):生成の土台となるメインモデル
- LoRA:キャラクターや画風を追加するカスタマイズファイル
- Embedding(Textual Inversion):プロンプトのショートカットを追加するファイル
- VAE:色調・コントラストを調整するファイル
- ControlNet:ポーズや輪郭制御用のファイル
ユーザーが作成・共有したモデルが集まっており、商用モデルにはない多様なスタイルや表現のモデルが揃っています。
アカウント登録とNSFWコンテンツの表示設定
Civitaiはアカウントなしでも基本的なモデルを閲覧・ダウンロードできますが、NSFWコンテンツを表示するにはアカウントが必要です。
アカウント登録手順:
- https://civitai.com/ にアクセス
- 右上の「Sign In」→「Create account」を選択
- メールアドレスとパスワードを入力して登録
- 届いた確認メールのリンクをクリックして認証完了
NSFWコンテンツの表示を有効にする手順:
- ログイン後、右上のアカウントアイコンをクリック
- 「Account Settings(アカウント設定)」を開く
- 「Content Moderation」セクションを探す
- 「Show NSFW content」をオンにする
- さらに表示するレベルを個別に選択する
レベルは5段階に分かれています。 配布元の定義を確認すると、次のようになっています。
| レベル | 範囲 |
|---|---|
| PG | 全年齢。際どい表現なし |
| PG-13 | 露出のある服装、体のラインが出る程度 |
| R | 部分的な裸、水着、性的な状況 |
| X | 明確な裸体、性器の描写 |
| XXX | 性行為そのもの |
ここが最も間違えやすい点です。 レベルは個別に有効化するもので、上を選べば下も含まれるわけではありません。X をオンにしても XXX は出てきません。
「設定したのに目的のモデルが出てこない」の原因は、ほぼこれです。切り分けの手順は CivitaiでNSFWが表示されないときの対処 にまとめました。
なお未ログインの状態では PG しか表示されません。まずログインが前提になります。
モデルの種類を正しく理解する
Civitaiでダウンロードできるファイルの種類は似たように見えて役割が全く異なります。初心者が混乱しやすいポイントなので、しっかり覚えておきましょう。
Checkpoint(チェックポイント)
ファイルサイズ:2GB〜24GB程度
形式:.safetensors または .ckpt
生成の中心となるメインモデルです。このモデルが画像の基本的な画風・品質・表現を決めます。初心者が最初に選ぶべきはCheckpointです。
LoRA(Low-Rank Adaptation)
ファイルサイズ:10MB〜300MB程度
形式:.safetensors
Checkpointに上乗せして使う追加ファイルです。「特定のキャラクター」「特定の衣装スタイル」「特定の画風」などを再現するために使います。Checkpointがなければ単独では動作しません。
Embedding(Textual Inversion)
ファイルサイズ:数KB〜数MB
形式:.pt または .safetensors
LoRAとの違いと使い分けは Textual Inversion(Embedding)の仕組み2026 にまとめています。
プロンプトに特定の単語を入れるだけで複雑な表現を呼び出せるファイルです。「この単語を入れるとこのスタイルになる」というショートカットを追加するイメージです。
VAE(Variational Autoencoder)
ファイルサイズ:300MB〜800MB程度
形式:.safetensors または .pt
画像の最終的な色調や鮮明さを調整するファイルです。Checkpointに推奨VAEが指定されている場合は、そのVAEを合わせて使うと最良の結果が得られます。
良いモデルの見分け方
Civitaiには多数のモデルがありますが、品質はピンキリです。初心者が良いモデルを見分けるための指標を紹介します。
注目すべき指標
- ダウンロード数:多いほど実績があることを示す。ただし古いモデルほど有利なため、公開日も確認する
- いいね数(♥):実際に使ったユーザーの評価
- コメント数:活発なコミュニティがあるモデルは情報が豊富
- サンプル画像の質:モデルページに掲載されているサンプルを確認。崩れが少なく、求める画風に近いものを選ぶ
ダウンロード数は「桁」で見る
具体的な数字を覚える必要はありません。桁で段階を掴んでおくと判断が速くなります。
| 目安 | 位置づけ |
|---|---|
| 100万〜 | その系統の代表格。情報も派生LoRAも豊富 |
| 30万〜100万 | 定番。安心して使える |
| 5万〜30万 | 実績あり。用途が合えば十分 |
| 1万未満 | 新しいか、限定的。作例をよく見て判断 |
桁が1つ違えば、コミュニティの厚みも1桁違います。 困ったときに検索して情報が出てくるかどうかは、ここでほぼ決まります。
更新日は必ず見る
ダウンロード数より重要なことがあります。 累積ダウンロード数は減らないので、何年も更新されていないモデルでも数字は大きいままです。
実際、2024年前半で更新が止まったまま「定番」として紹介され続けているモデルがいくつもあります。当時は最良の選択でしたが、その後に登場した系統のほうが素直に動くことが多いのが実情です。
- 1年以内に更新:現役
- 1〜2年前:用途によっては現役だが、代替を一度探す
- 2年以上前:まず新しい系統を検討する
古いモデルが悪いわけではありません。ただし新しい系統のほうが少ないプロンプトで狙いに届くので、初心者ほど新しいものから入ったほうが楽です。
バージョン選びで迷ったら
1つのモデルページに複数のバージョンが並んでいることがあります。必ずしも最新版が最良とは限りません。
- 末尾に
LightningTurboHyperが付く版:少ないステップで速く出るが、設定が専用のものになる。通常版と同じ設定では破綻します Inpainting版:部分修正の専用。通常生成には使わない- 無印の最新版:迷ったらこれ
速度特化版を通常版のつもりで使い、「品質が悪い」と誤解するのはよくある入り口の失敗です。
サンプル画像の読み方
重要なのは「サンプル画像の生成パラメータを確認すること」です。サンプル画像をクリックすると、そのときに使われたプロンプト・ネガティブプロンプト・Steps・CFG・サンプラーなどが表示されます。
これを参考にすることで、自分が試すときの設定値がわかります。サンプル画像が良くても、そのパラメータを使わないと同様の結果が出ないことが多いので、必ず確認しましょう。
2026年時点でのおすすめ確認項目
- Base Model(SD1.5 / SDXL / FLUX.1など):自分が使っているSD環境に合ったものを選ぶ
- NSFW フラグ:NSFWコンテンツに対応しているか確認
ダウンロード方法
直接ダウンロード
モデルのページにある「Download」ボタンを押すだけです。バージョンが複数ある場合は最新版(または推奨版)を選びます。ファイルが複数ある場合は、サイズや説明を確認して必要なものだけ選択してください。
APIキーを使ったダウンロード
wget や curl でコマンドラインからダウンロードする場合はAPIキーが必要です。
APIキーの取得手順:
- Civitaiにログインして「Account Settings」を開く
- 「API Keys」セクションで「Add API key」をクリック
- キーに名前をつけて生成する
curlを使ったダウンロード例:
curl -L \
-H "Authorization: Bearer YOUR_API_KEY" \
"https://civitai.com/api/download/models/MODEL_ID" \
-o "model_filename.safetensors"
MODEL_ID はモデルページのURLに含まれる数字です(例:civitai.com/models/12345 なら 12345)。
ダウンロードしたファイルの置き場所
ダウンロードしたファイルは種類と使用ツールに応じた決まったフォルダに置く必要があります。
AUTOMATIC1111での配置先
stable-diffusion-webui/
├── models/
│ ├── Stable-diffusion/ ← Checkpoint (.safetensors, .ckpt)
│ ├── Lora/ ← LoRA (.safetensors)
│ ├── VAE/ ← VAE (.safetensors, .pt)
│ └── embeddings/ ← Embedding (.pt, .safetensors)
ComfyUIでの配置先
ComfyUI/
├── models/
│ ├── checkpoints/ ← Checkpoint
│ ├── loras/ ← LoRA
│ ├── vae/ ← VAE
│ └── embeddings/ ← Embedding
ファイルを置いた後は、WebUIやComfyUIを再起動するか、モデルリストの更新ボタンを押してください。
CivitaiのLoRAを使うときの重み設定
LoRAは使い方がCheckpointと少し異なります。プロンプトに組み込む形で使います。
AUTOMATIC1111でのLoRAの使い方
LoRAファイルをプロンプト内で呼び出す構文は次のとおりです。
<lora:ファイル名:重み>
例:
masterpiece, best quality, 1girl, <lora:mycharacter_lora:0.8>
重みの目安:
| 重み値 | 効果の強さ | 推奨用途 |
|---|---|---|
| 0.4〜0.6 | 弱め | 画風の軽い影響を加えたいとき |
| 0.7〜0.9 | 標準 | キャラクターや特定スタイルの再現 |
| 1.0〜1.2 | 強め | LoRAの特徴を強く出したいとき(崩れに注意) |
複数のLoRAを重ねる場合は、合計重みが2.0を超えないよう注意してください。崩れの原因になります。
ComfyUIでのLoRAの使い方
ComfyUIでは「Load LoRA」ノードを使い、Checkpoint読み込みとプロンプト処理の間に挟む形でLoRAを適用します。
重みの設定:
strength_model: 0.8 ← モデルへの影響
strength_clip: 0.8 ← テキスト認識への影響
通常は両方同じ値に設定します。
利用規約の注意点
Civitaiで配布されているモデルは、作者がそれぞれ独自の利用規約(Terms of Use)を設定しています。配布ページの「License」や「Permissions」を必ず確認しましょう。
よく見る制限の種類:
- 商用利用の可否:個人利用のみ許可しているモデルは、生成した画像を販売してはいけない
- 再配布の可否:モデルファイルを他の場所に再公開することが禁止されているものが多い
- マージの可否:別モデルとマージして新しいモデルを作ることに制限がある場合がある
- クレジット表記:生成画像を公開する際に使用モデル名のクレジット表記を求めるモデルがある
商用利用を考えている場合は、ライセンスが「Commercial use: Yes」または「Apache 2.0」になっているモデルのみを使うようにしましょう。
おすすめカテゴリ別モデル紹介
系統ごとに主流が違います。 まず自分が作りたい方向を決めて、その系統の代表格から入るのが最短です。
以下はダウンロード数と更新状況を確認して選んだものです(2026年8月時点)。数字は変動するので、実際のページで最新の状態を見てください。
アニメ・イラスト系
現在の主流は Illustrious 系です。少ないプロンプトで狙いに届きやすく、対応LoRAも増え続けています。
- WAI-illustrious-SDXL — この系統の代表格。ダウンロード数は突出しており、迷ったらここから
- Hassaku XL (Illustrious) — 定番のひとつ。作例の傾向を見て好みで選ぶ
- Nova Anime XL — アニメ寄りの表現に強い
系統の特徴は Illustrious / NoobAI 完全解説2026 にまとめています。
Pony 系
スコアタグを先頭に置く独自の作法がある系統です。慣れると制御しやすく、NSFW方面の対応LoRAが厚いのが強みです。
- Pony Diffusion V6 XL — 系統の本体。派生を使う場合もまずこれを理解しておく
- CyberRealistic Pony — Pony系で実写寄りに振りたい場合
作法は Pony Diffusion 完全解説2026 を参照してください。
実写・リアル系(SDXL)
- Juggernaut XL — SDXL系で最もダウンロードされている定番
- epiCRealism XL — 質感重視
- LUSTIFY! — NSFW特化。この中では更新が新しい
FLUX 系
FLUXは要求VRAMが大きいので、先に自分の環境で動くかを確認してください。量子化版の選び方は 量子化モデル完全ガイド2026 にあります。
- Fluxed Up — FLUX系のNSFW対応で更新が活発
なおFLUX.1 [dev] 系はライセンスが非商用です。販売を視野に入れるなら FLUX.1 Kontext 完全ガイド2026 の該当箇所を先に読んでください。
選ぶときの順序
- 作りたい方向を決める(アニメ/実写)
- 自分のVRAMで動く系統に絞る
- その系統の代表格を1つだけ落とす
- 1週間はそれだけ使う
最初から複数を比べようとすると、どれも中途半端に終わります。1つを使い込んでから2つ目に行くほうが、結果的に速く上達します。
売ることを考えているなら、落とす前に商用許諾を確認してください。判断手順は Civitaiの商用可否とNSFW制限を読む2026 にまとめています。
まとめ:Civitaiは「宝を探す場所」として使う
Civitaiには膨大な数のモデルがあります。最初から完璧なモデルを探そうとすると時間がかかるので、まずは「ダウンロード数が多く、サンプル画像が自分の好みに近いもの」を1〜2個試すことから始めましょう。使ってみることで「もっとこういう方向のが欲しい」という感覚がつかめてきます。
LoRAについても同様で、最初から大量に集める必要はありません。気に入ったCheckpointで安定した生成ができるようになってから、少しずつLoRAで表現を広げていくのが一番効率的な学び方です。
安定して出せるようになったら
同じ品質のものを何枚も出せる段階まで来たら、それは作品として成立します。AI CG集を出す手順は FANZA同人でAI CG集を出す完全ガイド に、販売先ごとの違いは AI生成画像でおこづかいを稼ぐ実践ガイド にまとめています。
売る前に確認すべきなのは、使ったモデルの商用許諾です。ここを飛ばすと後戻りが効きません。判断手順は Civitaiの商用可否とNSFW制限を読む2026 にあります。
関連ガイド
ダウンロードしたモデルの置き場所と読み込み方は Stable Diffusion WebUI導入ガイド2026 で解説しています。
商用利用の可否やライセンスの判断は AI画像生成の著作権・法律ガイド2026 もあわせて確認してください。
モデルページに並ぶ商用許諾の表示は、作者の設定だけで決まっているわけではありません。ベースモデルのライセンスが優先され、成人向け表現に制限がかかる系統もあります。売ることを視野に入れているなら Civitaiの商用可否とNSFW制限を読む2026 で仕組みを確認してください。





