縦長にしたら人物が間延びした。横長にしたら構図がおかしくなった。解像度を変えた途端に品質が落ちるのは、よくある詰まりどころです。
原因のほとんどは同じで、モデルが学習した解像度から離れすぎていることです。
この記事は比率(縦横のバランス)の決め方を扱います。サイズを大きくする話は Hires.fix・アップスケール完全ガイド にまとめてあるので、そちらと合わせて読んでください。
結論
モデルの基準解像度に総画素数を合わせたまま、縦横の比率だけを変える。
これだけで、比率変更に伴う破綻の大半は避けられます。
- 縦を伸ばすなら、横を詰める
- 横を広げるなら、縦を詰める
- 幅も高さも64の倍数に揃える
「縦長にしたいから高さだけ増やす」をやると、総画素数が基準から外れて崩れます。
系統ごとの基準解像度
配布元の設定を確認すると、系統ごとに基準がはっきり分かれています。
| 系統 | 基準解像度 |
|---|---|
| SD1.5 系 | 512px 相当 |
| SDXL 系(Pony / Illustrious / NoobAI を含む) | 1024px 相当 |
SDXLベースの派生モデルは、すべて1024pxが基準です。Pony Diffusion も Illustrious も NoobAI も、土台がSDXLなので同じ扱いになります。系統の違いは Illustrious / NoobAI 完全解説2026 と Pony Diffusion 完全解説2026 を参照してください。
ここを取り違えると、SD1.5の感覚で1024を入れて崩れる、あるいはSDXLで512を入れて眠い絵になる、という失敗になります。
比率別の実用解像度
総画素数を基準に保ちつつ、64の倍数に丸めた組み合わせです。
SDXL 系(1024px 基準)
| 比率 | 解像度 | 用途の例 |
|---|---|---|
| 1:1 | 1024 × 1024 | アイコン、サムネイル、SNS投稿 |
| 3:4 | 896 × 1152 | 立ち絵、人物中心のイラスト |
| 2:3 | 832 × 1280 | ポスター的な縦構図、CG集の縦ページ |
| 9:16 | 768 × 1344 | スマホ壁紙、縦型動画の素材 |
| 4:3 | 1152 × 896 | 横構図の基本形 |
| 3:2 | 1280 × 832 | 写真的な横構図 |
| 16:9 | 1344 × 768 | 横型動画の素材、ヘッダー画像 |
いずれも総画素数は 1024×1024 の ±3% 以内に収まっています。
SD1.5 系(512px 基準)
| 比率 | 解像度 |
|---|---|
| 1:1 | 512 × 512 |
| 3:4 | 448 × 576 |
| 2:3 | 448 × 640 |
| 9:16 | 384 × 704 |
| 4:3 | 576 × 448 |
| 3:2 | 640 × 448 |
| 16:9 | 704 × 384 |
SD1.5系はそもそも解像度が低いので、そのまま使うというより下書きとして作って拡大する運用になります。
なぜ64の倍数なのか
生成処理は、画像をそのまま扱っているわけではありません。内部では縮小された状態で計算し、最後に戻します。
このため、半端な数値は内部で丸められます。丸められた結果と自分が入れた数値がずれると、意図しない比率で生成されることがあります。
- 8の倍数:最低限。動く
- 64の倍数:安全。迷わなくて済む
「1000×1500」のようなキリのいい数字を入れたくなりますが、64の倍数ではありません。近い値なら「960×1472」のように寄せてください。
比率を極端にしない
比率を離すほど、モデルは構図を把握できなくなります。
- 1:1 〜 3:4 程度:安定
- 9:16 程度:まだ扱える
- 2:1 を超える:破綻しやすい
パノラマのような極端な横長を一度に出そうとすると、同じ人物が複数出たり、構図が分裂したりします。
極端な比率が必要なとき
一度に狙わず、緩い比率で作ってから広げるのが安定します。
- 16:9 程度で本体を生成する
- 左右に拡張する(outpaint)
この手順なら、モデルは常に扱える範囲で動きます。部分的に描き足す方法は inpaint(部分修正)完全ガイド にまとめています。
用途から比率を決める
作ってから使い道を考えると、たいてい合いません。 先に決めてください。
| 用途 | 向く比率 |
|---|---|
| 同人CG集(縦読み) | 3:4 または 2:3 |
| スマホ壁紙 | 9:16 |
| SNSのアイコン | 1:1 |
| 記事のヘッダー・サムネイル | 16:9 または 3:2 |
| 動画素材 | 16:9(横)/ 9:16(縦) |
作品全体で統一する
CG集のように複数枚を並べるものは、途中で比率を変えないでください。1枚だけ違う比率が混ざると、それだけで素人っぽく見えます。
1作目の最初に決めて、最後まで通す。これだけで完成度が上がります。
配布先に推奨仕様がある場合は、それが最優先です。販売プラットフォーム側の実務は FANZA同人でAI CG集を出す完全ガイド と DLsiteで同人作品を販売する完全ガイド にまとめています。
最終的な納品サイズは別の話
ここまでは生成時の解像度の話です。納品する画像はもっと大きいのが普通です。
手順としてはこうなります。
- 基準解像度・狙った比率で生成する(この記事の範囲)
- 拡大する(Hires.fix・アップスケール完全ガイド)
- 細部を直す(ADetailer完全ガイド)
比率は1で決まり、以降は変わりません。 だから最初の選択が重要です。後から比率を変えると、構図ごと作り直しになります。
VRAMが足りなくて基準解像度でも苦しい場合は、VRAM最適化ガイド と 量子化モデル完全ガイド2026 を先に読んでください。
よくある失敗
高さだけ増やす
「縦長にしたい」で高さだけ伸ばすと、総画素数が基準から外れます。横を詰めてください。
系統を意識せず数値を使い回す
SD1.5用の設定をSDXL系にそのまま持ち込むと、基準の半分になって眠い絵になります。逆も同様です。
キリのいい数字を使う
「1000×1500」は64の倍数ではありません。キリがいいのは人間の都合で、モデルの都合ではありません。
比率を試行の変数にする
比率を変えながらプロンプトも変えると、何が効いたのか分からなくなります。比率は先に固定して、プロンプトの検証はその中でやってください。検証の進め方は Seed完全ガイド にあります。
関連記事
- Hires.fix・アップスケール完全ガイド
- ADetailer完全ガイド
- inpaint(部分修正)完全ガイド2026
- Seed完全ガイド
- Illustrious / NoobAI 完全解説2026
- VRAM最適化ガイド:8GB / 12GB / 24GB
- FANZA同人でAI CG集を出す完全ガイド
まとめ
要点は4つです。
1つ目、系統ごとに基準がある。 SD1.5系は512px、SDXL系(Pony / Illustrious / NoobAI を含む)は1024pxです。ここを取り違えると何をしても合いません。
2つ目、総画素数を保ったまま比率を変える。 縦を伸ばすなら横を詰める。片方だけ増やすと崩れます。
3つ目、64の倍数に揃える。 キリのいい数字より、割り切れる数字を選んでください。
4つ目、用途から先に決める。 比率は生成時に決まり、後から変えるには作り直しが要ります。特にCG集は全ページで統一してください。
迷ったら、SDXL系なら 896×1152(縦)か 1152×896(横) から始めてください。基準から外れにくく、扱いやすい比率です。





