AUTOMATIC1111 WebUI は今も定番ですが、「生成が遅い」「VRAMが足りない」で詰まる人が多いのも事実です。そこで選択肢に入るのが Forge と reForge という2つの派生UIです。
どちらもA1111と同じ操作感のまま中身を差し替えたもので、既存の知識・モデル・プロンプトをほぼそのまま持ち込めます。この記事では両者の違いと、NSFW生成での実務的な設定をまとめます。
公式
- Forge: github.com/lllyasviel/stable-diffusion-webui-forge
- reForge: github.com/Panchovix/stable-diffusion-webui-reForge
細かな手順とオプションは更新で変わります。導入前に公式READMEで最新を確認してください。
Forge とは何か
Stable Diffusion WebUI Forge は、ControlNet や Fooocus の作者でもある lllyasviel 氏による、AUTOMATIC1111 WebUI の派生プロジェクトです。
見た目と操作はA1111とほぼ同じですが、内部のメモリ管理と推論経路が作り直されています。狙いは明確で、限られたVRAMで速く動かすことです。
何が変わるか
- 低VRAM環境での生成速度が上がる(6〜8GB帯で体感差が大きい)
- メモリ不足で落ちにくくなる
- モデルの切り替えが速い
- UIと設定項目はA1111の知識がそのまま通る
何が変わらないか
- プロンプトの書き方
- モデル・LoRA・VAE のフォルダ構成
- サンプラーやステップ数の考え方
- NSFWが出るかどうか(これはモデル側の話)
reForge とは何か
reForge は Panchovix 氏による別系統の派生で、A1111 向け拡張機能との互換性を重視しています。
Forge は内部を大きく変えた結果、A1111専用の実装に依存する拡張が動かなくなることがあります。reForge はそこを埋める立ち位置です。
使い分けの目安
| Forge | reForge | |
|---|---|---|
| 速度・省メモリ | ◎ | ○ |
| 拡張の互換性 | ○ | ◎ |
| 低VRAM(6〜8GB) | ◎ | ○ |
| A1111からの移行しやすさ | ◎ | ◎ |
まず Forge を入れて、動かない拡張が出たら reForge も入れる、が現実的な順序です。モデルフォルダを共有すればディスクは二重に食いません。
導入の流れ
細かなコマンドは公式READMEを見てください。ここでは全体像だけ。
前提
- Python 3.10 系(3.12 は未対応の場面がある)
- git
- NVIDIA GPU + 最新ドライバ(AMD/Intelは選択肢が狭い)
- ディスク空き:本体だけで数GB、モデルを入れると数十〜数百GB
手順の骨格
- リポジトリを clone(またはリリースのzipを展開)
- Windowsなら同梱の起動用バッチを実行、初回は依存関係の自動インストールが走る
- モデル(
.safetensors)をmodels/Stable-diffusion/に置く - 起動後、ブラウザで localhost にアクセス
A1111 を既に使っているなら、モデルフォルダを新規に用意せず、起動オプションで既存フォルダを参照させるのが楽です。SDXL系のチェックポイントは1個6GB前後あるので、二重に持つと一気にディスクを圧迫します。
NSFW生成のためのモデル設定
ここが最も誤解されやすい点です。Forge や reForge に検閲フィルタは入っていません。
NSFWが出るかどうかはチェックポイント側で決まります。
入れるべきモデル
| モデル系統 | 特徴 |
|---|---|
| Pony Diffusion V6 XL | NSFW描写が最も強い。スコアタグ必須 |
| Illustrious | Danbooruタグへの反応が素直。破綻が少ない |
| NoobAI | Illustrious系。タグ追従が強い |
| 各種マージモデル | Civitai上位の多くがこの3系統の派生 |
SDXL base や FLUX schnell ではNSFWはほぼ出ません。 UIを変えても解決しないので、モデルを変えてください。
モデルの探し方は Civitai 完全活用ガイド に、各系統の癖は Pony Diffusion 完全解説 と Illustrious / NoobAI モデルガイド にまとめてあります。
Pony系を使うときの必須設定
Pony Diffusion V6 XL 系は、プロンプト先頭にスコアタグを置かないと本来の品質が出ません。
score_9, score_8_up, score_7_up,
1girl, long hair, ...
これはUIに関係なくモデル側の仕様です。Forge でも同じように書きます。
VAE
Pony / Illustrious 系はモデル指定のVAEを推奨しているものが多いです。色が薄い・彩度が飛ぶ場合はVAEを疑ってください。詳しくは AI画像生成トラブル辞典 の該当セクションに書いています。
実務的な設定の目安
解像度
- SDXL / Pony / Illustrious 系は 1024×1024 が基準
- 512で生成すると顔が崩れます(UIのせいではありません)
- 縦長なら 832×1216、横長なら 1216×832 あたり
サンプラーとステップ
- Euler a — 速くて破綻が少ない
- DPM++ 2M Karras — 品質と速度のバランス
- ステップは 20〜28 で十分。40は多くの場合オーバー
CFG Scale
- 5〜7 が実用域
- 高くするとプロンプトへの追従は上がるが、色が飛んで破綻しやすい
バッチ
- VRAM 8GB: バッチサイズ1
- VRAM 12GB: 1〜2
- VRAM 16GB以上: 2〜4
拡張機能の互換性
Forge は内部を変えているため、A1111用の拡張がそのまま動くとは限りません。
主要どころの状況
- ADetailer — 顔や手の自動修正。対応済み。ADetailer 完全ガイド 参照
- ControlNet — Forge には統合された形で入っている場合がある
- Regional Prompter — 複数人構図。Regional Prompter 完全ガイド 参照
- Ultimate SD Upscale — 分割アップスケール
入れたい拡張がある場合は、その拡張のリポジトリで Forge 対応状況を確認してから導入するのが確実です。「A1111で動くから大丈夫」は通用しません。
拡張が動かないときの手順
- 拡張のIssueで Forge 対応を検索
- 対応版のブランチがないか確認
- なければ reForge を試す
- それでも駄目なら A1111 に戻す
用途ごとにUIを使い分けるのは負けではなく、実務的にはよくある構成です。
Forge が向く人・向かない人
向く人
- VRAM 6〜10GB で生成が遅くて困っている
- A1111 の操作感は変えたくない
- モデル切り替えを頻繁にする
- 標準的な拡張で足りている
向かない人
- マイナーな拡張に強く依存している(reForge か A1111)
- 既に VRAM 24GB 環境で速度に不満がない
- ノードベースで細かく組みたい(ComfyUI のほうが向く)
ComfyUI との比較
「Forge と ComfyUI どちらを覚えるべきか」で迷う人が多いので、整理しておきます。
| Forge / reForge | ComfyUI | |
|---|---|---|
| 学習コスト | 低い(フォーム入力) | 高い(ノード接続) |
| 細かい制御 | 中 | ◎ |
| 動画生成 | 弱い | ◎ |
| バッチ・自動化 | 中 | ◎ |
| 手早く1枚出す | ◎ | ○ |
静止画を手早く量産するなら Forge、動画やワークフロー自動化まで踏み込むなら ComfyUI、という棲み分けです。両方入れている人も珍しくありません。
動画側は FramePack / ComfyUI Wan 2.1 実践ガイド にまとめています。
よくある詰まりどころ
起動しない
- Python のバージョン違い(3.10系を使う)
- 仮想環境が壊れている →
venvを消して作り直す - エラーログは下ではなく上から読む
生成が遅い
- xformers / SDPA が有効か確認
- Hires. fix や Refiner を切って計測し直す
- ステップ数を 20 に落とす
VRAM不足で落ちる
- バッチサイズを1に
- 解像度を 768 に落とす
- 起動オプションの省メモリ系フラグを使う
環境側の目安は AI生成PC構成ガイド に、症状別の対処は AI画像生成トラブル辞典 にまとめています。
関連記事
- Civitai 完全活用ガイド2026
- Pony Diffusion 完全解説
- Illustrious / NoobAI モデルガイド
- AI画像生成トラブル辞典2026
- AI生成PC構成ガイド2026
- プロンプト逆引き辞典
まとめ
Forge は A1111の操作感のまま低VRAM環境を救うUI、reForge は 拡張互換性を優先するUIです。どちらもNSFW生成に制限はなく、出るかどうかは入れるモデルで決まります。
VRAM 6〜10GB で生成が遅いなら、まず Forge を試す価値があります。拡張で詰まったら reForge、ノードで細かく組みたくなったら ComfyUI、という順に広げるのが無駄のない進み方です。





